『豊臣兄弟!』で茶の湯はどう描かれるのか
- 読みもの
- 2026.3.26
2026年大河ドラマは『豊臣兄弟!』
2026年のNHK大河ドラマは、仲野太賀主演の『豊臣兄弟!』。
放送開始から3か月が経とうとしています。
豊臣秀吉は、言わずと知れた戦国の三傑の1人ですが、その弟である豊臣秀長が主人公です。
秀吉を陰から支え、豊臣政権において要の役割を果たしました。

秀吉といえば、北野天満宮において開催した「北野大茶湯(きたのおおちゃのゆ)」など、茶の湯に関するエピソードが数多く残ります。
ドラマのオープニング映像でも、茶会の様子が流れます。
風炉、釜、柄杓、茶入、茶杓、台天目といった茶道具が次々と現れ、客が振舞われた茶を手にする――たったの数秒ではありますが、大変印象的な映像です。
これから茶の湯がストーリーに関わってくるのではないかと予感させられますね。
権力の象徴としての茶の湯
秀吉が茶の湯を重視したのは、主君である信長の影響によるものです。
信長は茶道具を数多く蒐集し、それを愛好するだけでなく政治的に利用したことが知られています。
たとえば、自らが打ち負かした敵がかつて所有していた茶道具を召し上げ、それを茶会で披露することにより、威光を誇示しました。
また手柄を立てた家臣への褒美として茶道具を下賜することも頻繁にあったようです。
茶道具を賜った家臣はそれを自らの茶会のしつらえとして飾り、お披露目しました。
このように信長にとって茶道具は家臣を統率するのに欠かせないものでした。
『豊臣兄弟!』第10話序盤に、次のような場面があります。
川並衆(木曽川の水運業を営む集団)を統べる蜂須賀正勝(高橋努)に、秀長(仲野太賀)が「兄者(秀吉)」からじゃ。」と言って木箱を渡します。
斎藤龍興(濱田龍臣)を破り、軍師 竹中半兵衛(菅田将暉)を味方に引き入れることに貢献した正勝をねぎらうために秀吉(池松壮亮)が用意した贈り物のようです。
正勝が「ほう、銭か!」とウキウキしながら箱を開けると、中から出てきたのは茶碗。
一度割れたようで、漆で継いだ跡があります。
「何じゃ?この汚い碗は。」と激昂し、秀長に向かって茶碗を放り投げる正勝。
しかしその茶碗は、元は信長(小栗旬)が秀吉に与えた褒美の一部で、換金すればそれなりの額になることがわかると、正勝は態度を翻して茶碗を受け取ります。
また第11話では、大和多聞山城主 松永久秀(竹中直人)が信長に恭順の証として、九十九茄子(つくもなす)を献上しています。
九十九茄子は、元々は足利義満が所有していた唐物茶入で、大名物(おおめいぶつ)、つまり大変格付けの高い茶道具です。
足利家が所有した後は数回持ち主が変わり、松永久秀が一千貫で手に入れていました。
これらの場面では、茶道具には主従関係をつなぐ役割があることが意識的に描写されていると言えるでしょう。
そして物語では、堺の有力商人の集まりである会合衆 今井宗久(和田正人)、津田宗及(マギー)も登場。
この2人は、千利休とともに「天下三宗匠」と呼ばれた茶人でもあり、信長のもとで茶事全般を司る茶頭となっていきます。
今後、ますますドラマの中に茶の湯に関するエピソードが出てくるのではと期待させられる展開です。
どのように描かれていくのか、話の行方を楽しみに見守っていきたいと思います。
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織田信長、豊臣秀吉をはじめとする戦国武将たちが愛好した茶の湯。
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【参考文献】
・田中 仙堂(2022).『お茶と権力 信長・利休・秀吉 (文春新書 1330) 』.文藝春秋.
・一般財団法人 今日庵 茶道資料館 (監修)(2021).『茶の湯をまなぶ本 改訂版 茶道文化検定公式テキスト 1級・2級』.淡交社.
・竹本千鶴(2026).「豊臣秀吉が追い求めた茶の湯のかたち」「豊臣秀長の茶の湯の実像」.『淡交』2026年1月号.p20-p31.淡交社.
千紀園スタッフ 2026.3.26
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